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Essay · 2026-09-22
いちばん訊きたいことほど、訊けない。
AI を仕事で使っている人なら、覚えがあるはずだ。
軽い質問なら、いくらでも訊ける。言い回しの調整、要約、ひな形。 けれど、本当に困っている質問になった瞬間、手が止まる。
「この取引先との、この条件で、この経緯があって ―― どう返すべきか」。
訊きたい。でも、貼れない。 社名、金額、経緯、相手の名前。答えに必要な情報ほど、外に出せない。
結果、あなたは情報を削って、ぼかして訊く。 返ってくるのは、一般論だ。削ったぶんだけ、答えも薄くなる。
AI は、いちばん必要な場面で、いちばん無力になる。
これは AI の性能の問題ではない。渡せないものがあるという、あなたの側の事情だ。 そして、その事情は正しい。貼ってはいけないものは、貼ってはいけない。
だから、順序を変える。
肝心なものは、手元に残す。 そのうえで、本当の質問を訊く。
- 機微な中身は、あなたの環境の外に出さない。
- 渡す前に、何を渡すのかを、自分の目で確かめられる。
- 渡したものは、何を・いつ渡したかが記録として残る。
つまり、削らずに訊ける。訊けなかった質問が、訊ける質問になる。 一般論しか返ってこないのは、一般論しか渡せていないからだ。
ひとつ、大切なことを。
これは「会社に隠れて使う」話ではない。逆だ。
線を引くのは、あなただ。何を手元に残し、何を渡すか。 けれどその線は、会社が承認できる設計の上に引かれる。 操作の事実は残る。中身は、残らない。
だから、現場のあなたが「訊ける」ようになることと、 会社が「使ってよい」と言えることは、同じ一本の線の両側にある。
いちばん訊きたいことを、いちばん訊ける場所で。 それが、手元に残る、ということだ。
誠実な線
- 手元に残すのは、あなたが渡さないと決めたもの。すべてが自動で守られるという話ではない。
- v0.5 は、ブラウザの中で動く体験版。文章はサーバへ送らない。 自分の環境に置いて使う形は、まだ配っていない。
- Sens が残すのは「何を、いつ渡したか」であって、返ってきた答えが何に基づいたかではない。 それは Sens の外で起きる。答えの正しさを Sens が保証するのでもない。